「東洋医学は効果が出るまで時間がかかる」と思っていませんか?
東洋医学といえば、漢方・鍼灸を想像するでしょう。私は漢方は専門ではありませんが、東洋医学の考え方として、漢方も鍼灸も効果はすぐに出ます。
では、なぜ漢方や鍼灸は時間がかかると思われているのでしょうか?それは「効果」の意味が人によって異なるからでしょう。
①完治した
②体質が変わった
③今までより楽になった
このように、“完治した”ことを「効果があった」というのか、“体質が変わった”ことを「効果があった」というのか、“今までより楽になった”ことを「効果があった」というのか、それぞれ意味が変わってきます。
①完治した
これは症状によって異なりますが、
❶たった1回〜数回で完治した人
❷時間がかかったけど完治した人
❸楽になったけど完治しなかった人
❹全く効果がなく完治しなかった人
このように「完治」を「効果」として捉えている場合、少なくとも4つのパターンに分類されます。
❶の人から鍼灸や漢方を勧められ、全員が❶になるかというと、そんなことはありません。まず「症状」が異なるはずです。そして、年齢、性別、身長、体重、生活習慣、生活環境など、異なることだらけです。
それほど人と人は全く別の状態にもかかわらず、同じような経過、結果になると考えるのは、無茶苦茶な考え方です。
そして「完治」は基本的に医療だけで可能なものではなく、生活習慣や生活環境など、本人にしかできない部分の影響が大きいものです。
しかし、生活習慣や生活環境を整えることは、なかなか難しいものであり、実行、実現するまで時間がかかります。
つまり「東洋医学の効果」が時間がかかるのではなく「完治」そのものが時間がかかるものです。
そのため「①完治」よりも「③今までより楽になる」を大切にしています。
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②体質が変わった
東洋医学で最もイメージされるものが「体質改善」ではないでしょうか。またこの「体質」というものも、人によりイメージが異なるはずです。
私としても「体質が変わる」ということには、大きく効果を感じます。自身の体験でいえば
・お腹が強くなった
・風邪をひかなくなった
・猫背の姿勢が綺麗になった など
「虚弱な体質」からの変化を1回で実感しました。
患者さんの意見でも「体が別の体になったみたい」と変化を実感される方がほとんどです。
ただ「すぐに変化する部分」と「時間をかけて変化する」部分があるため、どちらの内容で伝えているかで、効果と時間の意味が大きく変わります。
そして、体質の変化を鍼灸や漢方で出来る部分と、生活習慣など“自分の行動”でしか変えられない部分もあります。
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③今までより楽になった
これが大切なところだと思います。東洋医学を取り入れる場合、すでにあらゆる医療を試してきているはずです。その中で楽になることがなく、悩んだ末に東洋医学に切り替える、取り入れる方が多いです。
今まで全く改善を感じず(効果を感じず)に過ごしていたところで、東洋医学で今までよりも楽になれば「効果があった!」と表現されます。
この“今までよりも楽になった”“少し変化してきた”という効果は初回〜数回で感じるはずです。
その中で早い段階で変化する部分と時間が経って変化する部分があるので、早くも効くし、時間が経ってからも効くと表現されるのです。
この時間の経過での効果を「体質改善」と表現されます。そしてこれが「効果が出るまで時間がかかった」と表現され、ズレて伝わっていると考えられます。
そして「1回受ければ時間が経てば何でも治る」と解釈するのも大きな間違いです。
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少し長くなりましたが、東洋医学はとても効果を実感しやすいものです。まとめると
「効果が出るまで時間がかかる」ではなく「時間が経ってからも効果がでる」
もう少し正確なのは「すぐに効果を実感でき、時間が経ってからも効果がでる」となるでしょう。
ただし、誰にでも必ず納得できる効果が現れるわけではありません。東洋医学が何にでも効くというような、極端な解釈はしないように注意してください。
東洋医学は施術者により治療法も考え方も異なります。選択肢は豊富です。自分に合ったものを見つけてください。